ダイハツのダイレクトシフトCVTまたは”デュアルモードCVT”と呼ばれる新型変速機。
発進時のベルト駆動を追加したもので、40km/h以上の高速域に入ると伝達効率に優れたギヤ駆動が加わるものです。
低速域はベルト駆動、高速域ほどギアの比率を高めて、変速比を高める効果があります。
今までのCVTに比べ、低いエンジン回転数で走行できるため、静粛性と加速性に併せ、低燃費も実現します。
また、変速スピードの向上により、ターボ車の加速力や発進時のフィーリング向上、また変速機の軽量化なども期待されています。
このデュアルモードCVTと同じ機能を有す駆動は、すでに登録車で”ダイレクトシフトCVT”の名称で搭載されており、トヨタのRAV4・レクサスUXに採用しています。
ダイレクトシフトCVTのメリット
”加速フィーリング向上”という点が大きなメリットとなっています。
しかし、シフトレバーのパターンや操作の変化がない点もメリットとしてあげられるでしょう。
また、すでに採用されているダイレクトシフトCVTでは6%程度の燃費向上を達成しており、新型タントではCVTの性能だけでも1.5km/L程度の数値で燃費性能が向上すると予想できます。
さらに、タントにはデュアルモードCVTが搭載され、さらにマイルドハイブリッドシステムを搭載する予定もあります。
いくつかの要因が重なり、燃費が底上げされるため、ダイレクトシフトCVTだけの性能向上はわかりにくくなるかもしれません。
ダイレクトシフトCVTの今後の車種展開
まず、ダイハツにおいてデュアルモードCVTはタントに採用されます。
変速機という大きな開発費用を必要とするものだけに、ノーマルグレードに非搭載でカスタムのみに設定というようなことはありません。
全グレードで標準装備となる可能性が高く、ターボ車への搭載はほぼ確実のようです。
なお、今後のダイハツ車は基本的に、このデュアルモードCVTを採用していくことが考えられます。
タント以降のフルモデルチェンジでは”ムーヴ”が最初になるでしょう。
また、”ミライース”も燃費追求型車種という性質から、マイナーチェンジを行って採用することが考えられます。
さらに、”コペン”も加速フィーリングの向上という点で、マイナーチェンジによる採用の可能性があります。
ただ、デュアルモードCVTと旧プラットフォームの組み合わせは可能なのかは不明です。
コペンで実現するとしたら3年先の話になるでしょう。
”ウェイク”や”キャスト”に関しては、モデル登場時期から考えて、フルモデルチェンジによる採用となるでしょう。
最後に、数少ないダイハツの登録車にも採用の可能性があります。
しかし、変速機そのものが、”ブーン”や”トール”のサイズに対応したシステムなのかは不明です。
これが明らかになるには、新型ヤリスの方向性次第となりそうです。
デュアルモードCVTとDNGAの関係性
ダイハツモデルの新世代プラットフォームは、DNGA(ダイハツ・ ニュー・グローバル・アーキテクチャー)と呼ばれており、ミライースがその先駆けとされています。
DNGAの全テクノロジー投入は、新型タントからの予定で「DNGA第一弾」というフレーズがタントに与えられています。
先進技術搭載のイメージが強いミライースは、プラットフォームの刷新はされたものの、エンジンや変速機は先代からの継続で、燃費数値に変化はありませんでした。
D-CVT Labo