レクサスの見積もりを見ていると、同じ車種にversion LとF SPORTがならんでいて、手が止まることがありますよね。
値段はほとんど同じなのに、名前も雰囲気もずいぶんちがう。どちらを選べば後悔しないのか、迷うのも無理はないと思います。
この記事では、2026年9月時点のレクサス公式サイトの価格と装備をもとに、2つのグレードのちがいを整理します。
🏁 F SPORTの「F」ってなに?
F SPORTの「F」は、静岡県にある富士スピードウェイの頭文字から来ています。レクサスの公式サイトでも、そう説明されています。
レクサスには、サーキットを走るために作られた「F」という高性能なモデルがあります。F SPORTは、そのFで育った走りの味を、ふだん乗るモデルに取り入れたグレードです。
たとえるなら、本格的なスポーツカーそのものではなく、その「雰囲気と走りの手ざわり」を分けてもらったグレード。トヨタでいうGR SPORTに近い立ち位置だと思います。
一方のversion Lは、上質さを大切にしたグレードです。やわらかな本革や木目など、落ち着いた高級感に力を入れています。
いまF SPORTが選べるのは、LS500h、RX350、NX450h+、NX350h、IS300h、UX300hです。RX500hには、さらに走りを強めたF SPORT Performanceがあります。
💰 値段はどれくらいちがうの?

まずは、いちばん気になる値段から見てみます。同じ車種・同じ駆動方式でくらべた、2026年9月時点の価格です。
| 車種 | version L | F SPORT | 差 | F SPORTを見送りたい人 |
|---|---|---|---|---|
| RX350(AWD) | 745万円 | 751万円 | F SPORTが6万円高い | やわらかな本革と木目にひかれる人 |
| NX350h(2WD) | 637.6万円 | 640.6万円 | F SPORTが3万円高い | 落ち着いた見た目が好きな人 |
| NX450h+ | 749.5万円 | 758.5万円 | F SPORTが9万円高い | 静かにゆったり走りたい人 |
| UX300h(2WD) | 549.2万円 | 534.1万円 | F SPORTが15.1万円安い | 明るいライトを重視する人 |
| IS300h | 620万円 | 645万円 | F SPORTが25万円高い | 予算を600万円台前半にしたい人 |
車種によって、どちらが高いかまで変わる
RXとNXでは、差は3万円から9万円ほど。ほぼ同じ値段と考えてよさそうです。
ところがUXでは、F SPORTのほうが15.1万円安くなっています。反対にISでは、F SPORTが25万円高い。「F SPORTはいつも高い」とは言えないんですね。
差が生まれるのは、つく装備がちがうから
この差は、それぞれのグレードに何がつくかで決まっています。
たとえばUXとISでは、version Lに3つの光で照らすLEDヘッドランプがつきます。F SPORTは、ふつうのLEDヘッドランプです。UXのversion Lが高いのは、こうした上質さの装備が多いためだと思います。
ISのF SPORTには、座面から風を出すシートや、アルミのペダルがつきます。走りと快適さの装備が加わる分、25万円高くなっています。
RX350は「FFがあるかどうか」にも注意
見落としやすいのが、駆動方式です。
RX350のversion Lには、前のタイヤだけで走るFFがあり、704万円から選べます。F SPORTはAWDだけなので、751万円から。
いちばん安い形でくらべると、47万円の差になります。雪道をあまり走らないなら、version LのFFという選び方もありますよ。
🛞 走りは何がちがうの?
F SPORTのいちばんの特徴は、足まわりです。見た目だけのグレードではありません。
道に合わせて、かたさを変えるサスペンション
RX350とNXのF SPORTには、NAVI・AI-AVSというサスペンションがつきます。
むずかしい名前ですが、道の状態や運転に合わせて、ゆれのおさえ方を細かく変える仕組みです。ドライブモードで、2種類の動き方を切りかえられます。
ふだんはおだやかに、山道ではしっかりと。1台で2つの性格を持たせている、と考えると分かりやすいと思います。
NXは、車体のゆれも前後でおさえる
NXのF SPORTには、前と後ろにパフォーマンスダンパーがつきます。
走っているとき、車体はわずかにねじれたり、ふるえたりしています。それをすばやく吸いとって、ハンドルを切ったときの反応をすっきりさせる部品です。
RX350は、ブレーキも大きくなる
RX350のF SPORTには、前のブレーキに6つのピストンで押さえるキャリパーがつきます。
ピストンが多いほど、ブレーキをしっかり、むらなくかけやすくなります。重いSUVを気持ちよく止めるための装備です。
「F SPORTは乗り心地がかたい」とは限らない
ここは誤解されやすいところです。
F SPORTは走りのグレードなので、ゴツゴツした乗り心地を心配する人もいますよね。でも、今のF SPORTは、かたさを変えられるサスペンションで、ふだんの乗り心地にも気を配っています。
どれくらいちがうかは、人によって感じ方が大きく分かれます。気になるなら、同じ道で2つのグレードを乗りくらべるのがいちばん確かです。
🪑 見た目と車内はどうちがうの?

外から見たときのちがい
F SPORTは、グリルがメッシュ模様になり、ホイールも黒っぽい専用のものになります。NXのF SPORTは、ブレーキキャリパーがオレンジ色です。
全体に引きしまった印象で、遠くから見てもF SPORTだと分かります。version Lは、光るパーツや明るい色のホイールで、上品にまとめられています。
座ったときのちがい
シートも性格がはっきり分かれます。
RX350のversion Lは、セミアニリン本革のシート。表面の加工を少なくした、しっとりやわらかな革です。F SPORTは、本革とスエード調の生地を組み合わせたスポーツシートで、体を横から支えてくれます。
どちらも、運転席の位置を覚える機能と、座面から風を出す機能がついています。快適さの装備は同じで、ちがうのは「すわり心地の方向」です。
運転席まわりのちがい
ハンドルは、version Lが木目と本革、F SPORTが小さなくぼみのある本革です。くぼみがあると、手がすべりにくくなります。
F SPORTには、専用のメーターや、アルミのペダルもつきます。乗りこんだ瞬間に、気分が切りかわるような作りになっています。
🧭 迷ったときは、どう決めればいい?
version Lが向いているのは、家族を乗せることが多い人や、落ち着いた高級感を求める人です。とくにUXやISでは、ライトの明るさなど、version Lにしかない装備もあります。
F SPORTが向いているのは、運転そのものを楽しみたい人。RXやNXなら、ほぼ同じ値段で足まわりの装備が増えるので、選びがいがあると思います。
反対に、見た目の好みだけでF SPORTを選ぶのは、少しもったいないかもしれません。ちがいの中心は足まわりにあるからです。
決めるときは、次の順番で考えると迷いにくくなります。
まず、欲しい車種で2つの価格差を確かめる。次に、version Lにしかない装備が自分に必要か見る。最後に、同じ日に2台を試乗して、乗り心地とシートを体でくらべてみる。これで、きっと答えが見えてくるはずです。
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