【全固体電池とは】リチウムイオン電池より小型・航続長距離・フル充電数・出力アップ
トヨタが話題にした
「現行のリチウムイオン電池は電気自動車に適さない」
という考え方。
この思想を反映するために
「全固体電池を実用化させて電気自動車に導入しよう」
という動きがあるようです。
トヨタは全固体電池で電気自動車の市場シェア獲得を
狙っているかのよう。
しかし、日産も2021年長期ビジョン発表の場で
「2028年までに全固体電池を搭載したEVを発売」
と話題を出したので、各社参入。
競争によってコストを下げ、電気自動車の価格や維持費に
反映してほしいですね。
全固体電池を搭載したEVで噂が出ているのは
トヨタの動向。
ちょっと古い情報で先走った予想では
を2022年目標で開発中というものです。
これは2023年以降、もっと先になるでしょう。
bZ4Xがやっと登場するのが2022年予想だからです。
全固体電池最大メリット
全固体電池は
- 液漏れに関する不安がない
- 小型化が可能
- 円や角以外の自由な形状で作ることができる
というポイントでリチウムイオン電池より優れているようです。
現行リチウムイオン電池より、クルマへの搭載スペースが
工夫可能になります。
現在搭載できる電池の数より多く搭載可能で
航続距離の延長が可能になるようです。
この特徴がリチウムイオン電池よりも自由度の高さを生み
新形状のEVモデル誕生に繋がると予想します。
↑日産Hang-Out
日産は早くて2024年までに、遅くて2028年までに
全固体電池搭載車を普及させる計画です。
さてまだ全固体電池にはいい点がありますよ。
全固体電池は充電速度が非常に速い
現行の電気自動車は高性能なものでも
「80%急速充電」に「30分」要します。
これに対して
全固体電池は「フル充電」が「数分」で可能なんです。
運用性能が格段に上がるため、
長距離ドライブにおける電気自動車の弱点がなくなる
ことが起こります。
パワーに関しても強いです。
全固体電池は出力向上も果たす?
全固体電池は出力特性向上にも期待できるため
スポーツカーに搭載するには大きな利点になるでしょう。
↑日産Max-Out
逆に、ノーマルタイプの電気自動車だと
出力向上への影響はそれほどないということです。
ただ、全固体電池は「エネルギー密度が高まる」という特徴も持ち
- 電池搭載数を減らせる
- 航続距離を延ばせる
という利点を活かすことが可能です。
これから登場する全メーカーEV全車種の
パフォーマンス向上に期待ができるということになります。
高温・低温に弱い?
全固体電池はリチウムイオン電池に比べ
広い動作温度域(高温・低温)にも期待できるんです。
高温・低温どちらの環境でもより安定した電池動作が可能
と確認されています。
リチウムイオン電池は低温時
化学反応が起こりにくい環境下となり、作動域が落ちます。
しかし、全固体電池は”凍結”が起こらないと言われ、
作動時の性能維持・サイクル特性に優れたバッテリーなんです。
全固体電池は電気自動車にしか使えない?
いいえ、
- プラグインハイブリッド
- ハイブリッド
- 燃料電池車
どのジャンルにも恩恵がある派生可能な電池です。
これまではいい点を述べました。
しかし、電池全般に関する心配材料もありますよね。
深く掘って見ていきます。
全固体電池の疑問と解消
全固体電池は製造に難点がある
全固体電池のデメリット
新テクノロジーに共通する問題点として
製造の難しさが挙げられます。
2020年代に実用化を目指しているものの実現しませんでした。
あらゆる車種に同時展開する普及力がないかもしれません。
まずは一部の上級車種にのみ搭載されるでしょう。
初代プリウス(ハイブリッド車)の普及速度
プリウス・プリウスαのリチウムイオン電池の普及速度
をイメージするとわかりやすいかもしれませんね。
しかし、プリウスが一気に普及したように
全固体電池搭載車の普及も徐々に、そして一気に普及可能だと思います。
全固体電池はコスト面で当初問題に?
5年以上一般普及まで時間がかかると予想されます。
「スペック面では突出したメリットがない」ことを指摘する声もあり、
今後の研究に期待がかかっています。
全固体電池とリチウムイオン電池の違い
全固体電池は実はリチウムイオン電池をベースに研究が進められています。
特性はリチウムイオン電池の延長線上にあるものです。
「すごい高性能で画期的な電池なんだろうな!」と思ったら
ちょっと残念に感じますね(笑)
リチウムイオン電池のメモリー効果はないので
継ぎ足しの充電が可能というメリットは引き継がれます。
高温化における発熱膨張の問題は解決?
- 発熱膨張は全固体電池化によって抑えられる
というのが研究側の結論です。
リチウムイオン電池の膨張によるトラブルは
- 電気自動車
- リチウムイオン電池搭載ハイブリッド車
において世界的にも問題はないようです。
生活により近いノートパソコンやスマートフォンでは
問題点が目立って表に出ますよね。
同じトラブルが全固体電池にも表れるのではないか?と心配になります。
しかし、電気自動車が普及していく過程で追々解決していくでしょう。
国内メーカーは皆、全固体電池開発中?
EVで先行イメージの強い日産やホンダは
全固体電池の研究に直接関わっていないようです。
ただ、日産から全固体電池搭載車発売の発表がありましたよね。
これは全固体電池を扱うのは電池メーカーで
自動車メーカーと提携関係にあればどのメーカーも参入可能なためです。
普及の目途が立てばどのメーカーも利用していくでしょう。
トヨタの新型EV全般初め、
日産リーフ・ホンダeに全固体電池が搭載される可能性も出てきます。
トヨタはスバル・ダイハツ・マツダ・スズキへ提供?
協業関係にあるスバル・ダイハツ・マツダ・スズキには
技術提供する可能性が高まりますね。
例えばマツダのEVモデルに利用されれば
- マツダMX-30の性能が劇的に変化
- MX-30と別の電気自動車が性能向上
といった可能性も出てきます。
全固体電池をダイハツ・スズキが軽自動車に搭載したら
EVが日本で普及しない理由に大きな変革を起こしますね。