トヨタ新型V8復活へ|GRとレクサスが共有する鼓動
「もうV8は過去の象徴なのか」——そんな空気が漂っていた数年がありました。
電動化が加速し、静かで効率の良いパワーユニットが正義とされた時代。
それでも、僕らはあの感覚を忘れられなかった。
アクセルを踏み込んだ瞬間に背中へ流れ込む“熱”。
回転が上まで伸びていくときの、あの高揚。
ただのスペックじゃない。「生きている機械」を操っている実感。
トヨタとレクサスは、その“鼓動”を再び未来へつなぐ決断を発表。
新型4.0L級ツインターボV8の正式開発——それは、僕らの記憶を未来に繋ぐ合図でもあります。
■ 新型V8は「新しい世代の鼓動」
今回トヨタが発表したのは、次期GRフラッグシップ「GR GT3」および、レクサスの次世代スポーツモデルに搭載される新型ツインターボV8。

・基本アーキテクチャは次期2.0L直4ターボからの拡張
・4.0Lクラス
・ツインターボ
・高回転寄りの燃焼設計
・最大800ps級が想定されるバージョンも存在
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この「高回転寄り」というワード、ここに今回の本気度が詰まってる。
近年の大排気量ターボは、低回転から分厚いトルクを出す方向が主流だったけれど、トヨタはあえて逆。
回して、感じて、昂る——その「楽しさ」を中心に設計している。
この思想って、あのLFAのV10と同じ“哲学”なんだよね。
数字じゃなく、「官能性」で語るエンジン。
しかもこのV8は、単体の象徴ではなく「スポーツカーの未来戦略の核」として開発されているのがポイント。
■ レクサスにも“同じ心臓”が入ることの意味
このV8は、GRだけじゃなくレクサススポーツの新モデルにも搭載される。

・レクサスの次期ローダウンスポーツ
・LCの後継にあたるモデル
・2025年ジャパンモビリティショーでプロトタイプが披露済み
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内部には、ハイブリッドシステムを予告するインジケーター表示。
つまり、「V8×セルフチャージングハイブリッド」 という組み合わせになる可能性が高い。
これ、ただの燃費対策じゃない。
ハイブリッドは
「過渡の一瞬」
「回転がつながる狭い刹那」
その加速のつながりを、滑らかで濃密にする。
電動で“埋まる”ことで
エンジンの“官能”がより純粋に感じられるようになる。
それはもう、機械の脈をそのまま身体で受け取る感覚に近い。
■ なぜ、このV8は今、これほど注目されるのか?

僕たちは、ただ「パワーが強ければいい」なんて思っていない。
電動化の中で、生き残るエンジンには“存在する意味”が求められる。
今回のV8が支持されている理由は、その「存在理由」がはっきりしているからだ。
- 音と振動を通じて“生きている機械”を感じられること
- 回転を上まで使って走りを組み立てられること
- 運転者の技量と感覚が結果にそのまま現れること
- スポーツカーを“ただの移動ではない体験”にしてくれること
そして何より、
「僕たちが愛してきたものを未来へ渡す」という意思。
これは、単なる新型エンジンの話じゃない。
“文化をつなぐ決断”なんだ。
■ GRは“マッスル”、レクサスは“ジェントル”

パワートレイン開発責任者・上原隆氏はこう語っている。
「V8には複数の性格がある。
GRはマッスル。
レクサスはジェントル。」
同じ心臓なのに、体の動きと声色は変わる。
これ、めちゃくちゃエモくない?
たとえば——
GRでは
・鋭く、暴れるように
・アクセルが「呼吸」になるように
レクサスでは
・深く、伸びやかで
・流れる時間ごと美しく
そんな表現の仕方ができるんだ。
「同じV8を、まったく違う“生き物”として味わう」。
それはもう、オーナーだけが知る“特権的な喜び”になる。
■ 発売・公開スケジュール

・GR GT3 スーパーカー 2025年12月5日(金)正式発表予定
・レクサススポーツ市販型は2026〜2027年頃と予想
価格帯は
GR:1000万円超〜
レクサススポーツ:1500万円前後〜
と見られる。
もちろん、手に届くかは人それぞれ。
でも——
「欲しいと思える夢がまだ存在している」
それが一番大事なんだよね。
■ 終わりに:あの鼓動は、まだ終わっていなかった

エンジンの時代は終わる。
そう言われた時、どこか胸の奥が冷えてしまった瞬間があった。
でも、違った。
終わらせるかどうかは、僕たち自身が選んで良かったんだ。
トヨタは、レクサスは、
そして僕らは——まだ終わらせていない。
あの鼓動は、これからもう一度始まる。













