「GRヤリスは、もう完成している」
そう感じていた人ほど、今回の進化にハッとさせられるかもしれません。
2025年4月11日、TOYOTA GAZOO Racingは進化型GRヤリスを世界初披露しました。
数字や装備の派手な刷新ではなく、“走りの感覚そのもの”を磨き上げるという、いかにもTGRらしいアップデート。
この記事では、すでにGRヤリスを知っている人だからこそ感じ取れる「今回の進化の本質」を、感情とリアリティの両面から深掘りしていきます。
🚗 モータースポーツ起点で鍛え続けるGRヤリス
GRヤリスは誕生時から特別な存在でした。
WRC(FIA世界ラリー選手権)をはじめ、スーパー耐久、全日本ラリー選手権といった極限の現場で使われ続け、そのたびに「壊して、直して、強くする」を繰り返してきたクルマです。
TGRが掲げる合言葉は、
「壊してくれてありがとう」。
これは単なる美談ではなく、走行データ、操舵フィーリング、破損部品の傷や異物の付着まで徹底的に分析し、市販車にフィードバックする姿勢そのもの。
今回の進化型GRヤリスも、その延長線上にあります。
⚙️ GR-DATの進化|2ペダルでも“走りは妥協しない”
2024年モデルで初登場したGR-DAT(GAZOO Racing Direct Automatic Transmission)。
今回の進化では、スポーツ走行時の制御がさらに磨かれました。
- パドル操作によるダウンシフト可能領域を拡張(2速→1速)
- 変速開始までのタイムラグを短縮
- マニュアルモード×スポーツ時のレッドゾーン付近でのダイレクト感向上
特に印象的なのは、登坂時のシフトアップ制御。
エンジン回転の上昇が鈍る場面では、あえてシフトアップを遅らせ、高出力を維持する制御が入ります。
これはサーキットや峠で「もう一踏ん張り欲しい」と感じる瞬間に、確実に効いてくる進化です。
🧩 クルマとの一体感が進化|“ボルト”に込めた執念
今回の改良で、いちばん地味だけど、いちばん重要なのがここ。
シャシー各部の締結ボルトに、締結剛性を高めた専用品が投入されました。
- リヤサスペンションメンバー×ボディ:頭部サイズ拡幅
- フロントロアアーム×ロアボールジョイント:フランジにリブ追加
- リヤショックアブソーバー×ボディ:フランジ厚アップ
「ボルトを変えただけ?」と思うかもしれません。
でもこの積み重ねが、ステアリングを切った瞬間の応答性や直進安定性に、確実な違いを生みます。
まさに“クルマと対話している感覚”が一段階クリアになる進化です。
❓ なぜ、ここまで細部にこだわるのか?
答えはシンプルです。
限界域でこそ、違いが出るから。
サーキットやラリーでは、ほんのわずかな遅れ、わずかな曖昧さがタイムや安心感を左右します。
だからTGRは、派手なスペック競争よりも、
「操作に対して、クルマがどう返してくるか」
この一点を徹底的に磨き続けているのです。
今回のEPS(電動パワーステアリング)チューニングもその象徴。
プロドライバー大嶋選手とともに、リニア感=1:1の操舵感覚を追求。
グレードごとにキャラクターを分け、
- RZ“High performance”:限界域の速さとコントロール性
- RZ:ワインディングからサーキットまでの俊敏さ
を明確に仕立て分けています。
🏁 使う人のことも忘れない進化
走りだけじゃありません。
GR-DAT搭載車ではフットレスト面積を拡大し、踏ん張りやすさを向上。
さらに、ラリー由来の縦引きパーキングブレーキが全グレードで選択可能に。
安全面では、Toyota Safety Senseを全車標準装備。
「本気で走れるクルマだからこそ、日常でも安心して乗れる」
このバランス感覚も、GRヤリスが支持される理由です。
💨 エアロパフォーマンスパッケージという“次の一手”
東京オートサロン2025で話題を集めた、
メーカーオプション「エアロパフォーマンスパッケージ」も正式発表。
トヨタ GRヤリス「Aero performance package」誕生【2025年10月1日発売】モータースポーツ直系の空力&冷却強化モデル
モータースポーツやサーキット評価の現場で出た課題を一つひとつ潰し込み、
妥協なしで作り上げたエアロが、2025年秋以降に登場予定です。
現時点では詳細な効果や価格は未公表な部分もありますが、
TGRの開発姿勢を考えれば、見た目重視では終わらないのは間違いありません。
🔥 まとめ|GRヤリスは“完成形”では終わらない
進化型GRヤリスは、
「大きく変わった」クルマではありません。
でも、深く、確実に進化したクルマです。
すでにGRヤリスを知っている人ほど、
ハンドルを握った瞬間に「違い」を感じるはず。
そしてTGRは、これで終わりとは言っていません。
モータースポーツを起点とした、もっといいクルマづくり。
その旅は、まだまだ続いていきます。




















