旅をする自由って、きっと“サイズ”じゃないんですよね。
2025年10月25日(土)に開催された日本モビリティショーで、ダイハツが発表した「Kayoibako-K」は、まさに“理解しているクルマ”でした。
大げさじゃなく、小さなボディに“旅の本質”を詰め込んだような存在。見る人の胸に「これでいいんだ」と安心と誇りを呼び起こす——そんな一台です。
■ 小さな箱が描く“未来の自由”
2025年10月25日(土)、東京で開幕した日本モビリティショー。
会場の中でもひときわ温かな視線を集めていたのが、ダイハツの「Kayoibako-K(カヨイバコK)」でした。
この小さなマイクロバンは、軽商用車の枠を超えて、“自分だけの旅をつくる箱”として提案されています。ベースはトヨタが2023年に発表した「Kayoibako」コンセプト。
その「小型版」をダイハツ流に再構築したのが、このKayoibako-Kです。
名前の由来は「通い箱」。物流や移動に使われるモジュール式コンテナをモチーフに、必要なものだけを詰めて動くという思想が根底にあります。
■ デザイン:小さいのに“人間味”がある
Kayoibako-Kは、見た瞬間に“優しい箱”という印象を受けます。
スクエアなフォルムの中に、柔らかな丸みとバランスの取れたプロポーション。カバー付きグリルに組み込まれたLEDヘッドライトは、まるで笑っているような表情で、人工物でありながら“人間味”が漂います。
ボディは軽自動車規格の全長3,400mm以内に収まりながらも、機能性を犠牲にしません。シングルスライドドアで乗り降りしやすく、フラットなテールゲートは荷室へのアクセスもスムーズ。配送用LCVとしても、遊びの相棒としても成立する設計です。
■ 「Woodland」仕様:小さな冒険を理解している
展示の中でも、ひと際注目を集めたのがキャンピング仕様のKayoibako-K Woodland。
ルーフにはポップアップテントが備わり、はしごで屋上へアクセス。側面には格納式オーニングを展開でき、ポータブルテーブルと椅子も標準装備。
夜になればルーフのLEDライトバーが辺りを照らし、どんな場所でも“小さなリビング”が生まれます。
タイヤはオフロード仕様で、足もとにも力強さがあり、軽とは思えない存在感。
それでも見た目だけの冒険車ではなく、「ひとり旅」「デュオ旅」「日常+少しの非日常」という現代的なライフスタイルにちょうど寄り添うサイズ感が心をくすぐります。
■ なぜカヨイバコKコンセプトが注目されるのか?
Kayoibako-Kが“理解している唯一の車”とまで言われる理由は、
「軽バン×EV×人の暮らし方」を本気で考えている点にあります。
EV化が進む中で、ただ電気で走るだけのクルマはもう珍しくありません。
けれどダイハツが提示したのは、“移動を再定義する小さな空間”。
冷却インテークを持たず、フロントに充電ポートを配置した完全電動設計。
つまり、走りよりも「どう使うか」「誰と過ごすか」を中心に考えたEVです。
その思想は、トヨタの佐藤浩二社長が語った一言に象徴されています。
「段ボール箱に様々なサイズがあるように、『かよいばこ』にも様々なサイズがあります。小さい箱はダイハツ、大きい箱はトヨタが作ります。」
まさに“使う人の生活サイズに合わせたクルマづくり”。
それがファンの心を掴む理由なのです。
■ アトレーの未来形としての期待
ダイハツは、現行アトレーを基にした電動モデル「eAtrai」も展示。
Kayoibako-Kがこの流れを受け継ぐ“次世代アトレー”になる可能性が高いと見られています。
軽商用車の世界では、単なる道具ではなく「動く居場所」としての価値が急速に高まっています。
働くためのバンから、暮らしを楽しむためのバンへ。
その変化の先頭を走るのが、Kayoibako-Kなのかもしれません。
■ K-VISIONが描くもう一つの未来
同時に発表された「K-VISION」もまた、ダイハツの次の時代を象徴する存在です。
テーマは“先進技術を誰もが使えるように”。
全長3,395mmの軽サイズボディに、セルフチャージングハイブリッドを搭載。
災害時には最大4日間も家庭電力を供給できる外部電源機能も備えています。
デザインはクリーンでモダン。スライドドアやフラットなサイド面が、実用性と未来感を両立。
まるで「Kayoibako-Kが日常を飛び出す車」なら、K-VISIONは「日常を支える車」といえるでしょう。
■ “旅する日常”が、すぐそばにある
ダイハツの軽自動車には、昔からどこか“人懐っこさ”があります。
小さなサイズの中に「頑張らなくていい安心感」が詰まっていて、Kayoibako-Kもその流れをしっかり受け継いでいます。
「仕事の帰りにそのまま海辺で寝たい」
「週末、山で一泊して朝の空気を吸いたい」
そんな衝動を、無理なく叶えてくれるクルマ。
走るための道具ではなく、“生きるための相棒”。
それが、この小さな電動バンの本質です。
■ まとめ:小さな車が教えてくれる“大きな自由”
Kayoibako-Kコンセプトは、まだ正式な発売日は発表されていません。
価格帯も未定ですが、アトレーやタントクラスの電動モデルとして200万円台〜300万円台が想定されています。
けれど、この車の価値は「価格」では測れません。
自分らしく生きること。
大げさじゃなくても、ちゃんと満たされる時間をつくること。
それを理解しているクルマが、Kayoibako-Kなのです。
未来の軽キャンピングカーが、またひとつ“人の心を理解する存在”として誕生しようとしています。




















