北米で新型「ローグ・プラグインハイブリッド(PHEV)」が発表されました。
しかし、その実態を知った瞬間、SNSや海外記事ではこんな声が一気に広がりました。
「これ、完全にアウトランダーPHEVのリバッジじゃない?」
私自身、その記事をじっくり読み解きながら、衝撃というより “あぁ、なるほど…” と静かに合点がいく感覚がありました。
なぜなら、この“リバッジ戦略”は、日産の北米電動化戦略と、三菱とのアライアンス構造が透けて見える象徴的な出来事だからです。
そして、同時に1つの明確な問いが生まれます。
「じゃあ、日本でエクストレイルPHEVは出るの?」
結論から言えば、この記事で示す根拠を読めば、
あなたも“その可能性が極めて薄い理由”を、腑に落ちる形で理解できるはずです。
■ ローグPHEV、実は“日産車ではなかった”
北米向けに発表された新型ローグPHEV。
見た目こそローグの顔つきをまとっていますが、
「新型ローグPHEVは、三菱アウトランダーPHEVのリバッジに過ぎない」
そして実際その通りで、構造的にも装備的にもアウトランダーPHEVとほぼ一致。
ローグ版で変わっているのは、
- グリル(顔つき)
- バッジ
- 一部のパネルデザイン
これだけなのです。
エンジン、モーター、AWDシステム、バッテリー…
心臓部はまるごと三菱製。
“日産の最新電動技術を積んだ新しいPHEV”
ではなく、
“三菱から借りたプラグインSUVを、ローグの衣装で覆っただけ”
これが今回の本質です。
■ 「なぜ?」日産は自社開発せず、三菱PHEVをそのまま使ったのか
ここが今回の記事の核心です。
一見、「技術がないから?」と考えたくなるかもしれません。
ただ、日産はEV技術ではリーフ/アリアを育ててきたメーカー。
電動化ノウハウがないわけではありません。
では、なぜ?
理由は明確です。
● 理由①:北米はPHEV需要が急増 → 早急にラインナップが必要だった
北米ではPHEVの需要が急速に高まり、特に
“3列SUV × PHEV” が求められています。
日産はこの市場に即応する必要があった。
しかし、自社でゼロからPHEVを開発すると最短でも3〜4年はかかる。
そこで、三菱アウトランダーPHEVという
既に完成し、北米で高い評価を得ている“即戦力SUV” を使う道を選んだのです。
これはビジネス判断として極めて合理的。
● 理由②:アライアンス内の役割が明確化している
日産・三菱・ルノーのアライアンスでは、
電動化領域でこういう暗黙の役割があります。
- 三菱:PHEV領域のリーダー
- 日産:e-POWER(シリーズハイブリッド)領域のリーダー
だからこそ、今回ローグが“自社PHEVを作らなかった”のではなく、
“三菱が作るPHEVを使う構造そのものが正解” という流れなのです。
● 理由③:ローグのシャシーはアウトランダーと近い=移植が容易
今回のローグPHEVは、パワートレインを載せ替えたわけではありません。
車両丸ごとアウトランダーPHEVで、
外装パネルだけローグ化した“完全リバッジ”です。
これは、
- 三菱と日産の既存プラットフォーム共有
- 部品・製造ラインの互換性
- 生産コスト削減
こうした背景があるからこそ成立する手法。
「借りられるのなら、作らなくていい」──
まさにアライアンスの利点をフルに使った判断と言えます。
■ ローグPHEVがリバッジである“決定的な証拠”
海外記事では複数のポイントが指摘されています。
✔ ボディパネルの構造はアウトランダーそのもの
✔ インテリアレイアウトもアウトランダーと一致
✔ 電動パワートレインは“旧”アウトランダーPHEVのスペック(302PS → 248PS の旧版システム)
三菱の数年前のシステムをそのまま採用しているため、
ローグPHEVは性能面で最新三菱PHEVにも及ばない と明確に指摘されています。
■ ここから導ける「日本でエクストレイルPHEVが出ない理由」
結論、ものすごくシンプルです。
● 1. 日産は「自社PHEV」を開発していない
日本でPHEVを売るなら、e-POWERとの役割被りを避けるため
“日産オリジナルのPHEVコンセプト”が必要になる。
でも今回のローグPHEVを見る限り、
日産は PHEVを自前で作る方向に動いていない。
● 2. アウトランダーPHEVのリバッジでは日本で売れない
日本市場には本家アウトランダーPHEVが存在します。
もしこれをエクストレイル顔で売ったら──
誰が買うのか?
価格帯は?
ブランドとしての立ち位置は?
どれを取っても合理性がありません。
特にアウトランダーPHEVは日本で極めて強い存在。
日産がその隣に“顔が違うだけのPHEV”を置く意味はない。
● 3. エクストレイルは日本で“e-POWERの象徴”として売っている
日本でのエクストレイルは、
e-POWER=日産の電動SUVの象徴
このポジションを失わせるようなPHEV追加は、
ラインナップ戦略として完全に矛盾します。
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ローグPHEVが完全リバッジという事実は、
“日産はPHEVを日本で展開する気が薄い”
という裏付けにもなっています。
■ 要するに──「ローグPHEVの中身がアウトランダーである限り、日本でPHEVのエクストレイルは出ない」
これが今回の結論です。
北米では“三菱の技術を借りる”ことに大きな意味があります。
しかし日本市場には、すでに本家アウトランダーPHEVが存在し、
エクストレイルにはe-POWERという独自の柱がある。
この構図がある限り──
日本でエクストレイルPHEVが登場する必然性は、現時点では極めて薄い。
それが冷静に導ける答えです。




















