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BYDラッコ×ダイハツタント|軽EVと軽王者のデザイン比較

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「あれ…どこかで見たようなフォルムだな」
BYDが発表した新型軽EV「Racco(ラッコ)」を初めて目にした瞬間、そう感じた人は少なくないでしょう。

そう、あの“ダイハツ・タント”です。

かつて日本の軽自動車文化を象徴したタント。
そのDNAを思わせるラッコの姿に、懐かしさと新しさが同居しているのです。

この記事では、ラッコとタントのデザインを「似ている理由」「異なる方向性」「市場に与える意味」の3つの視点から深掘りしていきます。

タントを思い出させる理由──“機能美”という共通言語

2025年10月28日(火)に発表されたBYDの新型軽EV「ラッコ」は、中国メーカーとしては初めて日本の“軽自動車規格”に合わせて開発されたモデルです。
この「軽規格」という制約こそが、結果的に“ダイハツ・タントっぽさ”を生み出した最大の要因と言えます。

全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,920mm前後──。
この数値だけ見ても、かつてのタント(LA650S型・2019年デビュー)とほぼ同じシルエットです。

特に、直立したボンネットと広いフロントガラス、スライドドア、フラットなサイドウィンドウといった構成は、
まるで「軽スーパーハイトワゴンの教科書」をなぞるようなデザインです。

しかし、それは“模倣”ではなく、“最適解”の再発見。
実際、タントが築き上げたデザインは、単なる外観美ではなく「日本の生活導線」に根ざした機能美。
狭い住宅地の駐車場でも使いやすく、買い物から子育てまでを一台で支える合理性があります。
BYDが軽EVでこのフォーマットを踏襲したのは、まさに日本市場への真摯な理解の証なのです。


では、ラッコは“タントのコピー”なのか?

ここが一番のポイントです。
確かに見た目の印象は近いものがありますが、ラッコには明確な方向性の違いがあります。

まず注目すべきはフロントフェイス。
タントが“親しみやすい顔”を持つのに対し、ラッコはC字型LEDヘッドライトとフラットノーズ構成で「クリーン&スマート」な印象を演出。
まるで家電デザインのように、無駄を削ぎ落とした“テクノロジー的美しさ”を前面に出しています。

内装でも違いは鮮明です。
タントが「家族で使う安心感」を重視した丸みのあるインテリアだったのに対し、
ラッコは大型インフォテインメントディスプレイとデジタルコックピットを採用。
EV特有の“静けさ”や“スマート家電との親和性”を感じさせる空間になっています。

つまり、タントが“日本の生活”を体現していたなら、
ラッコは“未来の暮らし”を提案している。
方向は違えど、どちらも「人の生活を中心に考えた車づくり」という点で共鳴しているのです。


なぜBYDラッコのデザインが注目されるのか?

ラッコがここまで話題を集める理由は、単なる「見た目の類似」ではありません。
本質的には、“日本の軽文化”と“BYDの電動思想”が融合したことにあります。

1️⃣ 日本の生活スタイルへの深い理解
BYDは2019年にトヨタと提携し、EVのバッテリー開発を共同で進めてきました。
その経験を経て、日本の道路事情やユーザー嗜好を徹底的に研究。
「日本の街に溶け込むEV」を真剣に考えた結果、タント的フォルムにたどり着いたとも言えます。

2️⃣ 軽EVとしての完成度と実用性
航続距離は約180km(20kWh仕様)〜300km(40kWh仕様)とされ、
100kW急速充電対応、四輪ディスクブレーキ、ヒートポンプ式エアコンなど、
既存の軽EVを凌駕する装備を投入。
見た目のかわいらしさの奥に、実用と走りの確かさがあるのです。

3️⃣ 「家電的美学」を持つEVデザイン
ラッコのデザイン哲学は、タントの“人間中心設計”をベースにしつつ、
「EV=家電」としての静的な美しさを加えたもの。
曲線よりも直線、装飾よりも光──。
それが“懐かしさと未来”を同時に感じさせる理由です。


タントが築き、ラッコが受け継ぐ“軽ワゴンの魂”

実はタントも、発売当初は“背の高い車なんて売れない”と言われていました。
ところが、利便性とデザインのバランスで大ヒット。
「家族の真ん中にある軽」という新ジャンルを生み出したのです。

ラッコはその系譜を、EV時代の文脈で再構築しています。

静かで、環境にやさしく、デジタルライフに自然に溶け込む軽。
スライドドアや低床設計といった“生活のリアリティ”を保ちながら、
次世代のモビリティとして再定義している点が非常に興味深いです。


日本市場への影響──軽の「再定義」が始まる

ダイハツやスズキ、ホンダが支えてきた軽市場に、BYDが本格的に参入する。
この構図は、日本メーカーにとって刺激的なニュースです。
軽=日本の専売特許、という時代が終わりを迎えつつあるかもしれません。

一方で、ユーザーにとっては選択肢の拡大。
「ガソリンか、ハイブリッドか、EVか」だけでなく、
「日本的デザインか、中国的モダンか」という軸でも選べるようになります。
その結果、軽というカテゴリーそのものが進化していく──。
ラッコの登場は、まさに“軽文化2.0”の幕開けなのです。


まとめ:タントが“過去の象徴”なら、ラッコは“未来の継承者”

ラッコは確かに、どこかタントを思い出させる。
でもそれは単なる懐古ではなく、“日本の軽文化を理解したうえで未来へ繋ぐ”という意思の現れです。
タントが切り開いた「家族のための軽ワゴン」というコンセプトを、
BYDがEVという新たな文脈でアップデートした──そう感じます。

2026年夏の発売(予約開始は2026年初夏)。
価格は補助金前で約250万円前後。
数字以上に、この車が描く未来のシルエットは大きい。

これからの軽EV時代を語るとき、きっと“タントとラッコ”という二つの名前が並んで語られるはずです。
どちらも「人の暮らし」を真ん中に置いている──その精神がある限り、日本の軽はまだまだ進化していくのだと思います。