BRZ TYPE RAに込められたSTIの覚悟
早朝の澄んだ空気の中、ハンドルを握って最初のコーナーを抜けた時の、あの“自分の感覚が研ぎ澄まされる感じ”。
クルマが路面の声を拾い、こちらの操作に素直に応えてくれる ―― あの幸福な対話。
今回発表された 「SUBARU BRZ STI Sport TYPE RA」 を見て、真っ先に思ったのは
「その感覚を、もう一段深く味わえるかもしれない」
というワクワクでした。

すでにBRZを知り尽くしているファンの方だからこそ、
スペック表の数字だけでは語れない“深み”と“思想”が気になるはず。
この記事では、TYPE RAの本質を、ファンの視点から丁寧に掘り下げていきます。
◆ 限定300台の“本気仕様”──TYPE RAの存在意義

SUBARUとSTIが手掛けた 300台限定のコンプリートカー「TYPE RA」。
今回のモデルは、単なる装飾モデルではなく、
“走りの品質”そのものを底上げする特別仕様 に仕上がっています。
抽選期間は 2025年11月13日〜11月30日。
展示は11月15〜16日の富士スピードウェイ「S耐FINAL大感謝祭」にて公開予定。
数字の話をいったん脇に置いて、
まず“どういう思想で作られているのか”に触れていきましょう。
◆ レース由来の“バランスドFA24”──心臓部から熟成

TYPE RA最大の魅力は、やはり バランスドエンジン。
スーパー耐久参戦車両「BRZ CNF Concept」と同等の精度で
ピストン、コンロッド、クランクシャフト、フライホイールを徹底的に重量合わせ。
振動が抑えられ、回した瞬間に分かる“雑味のない吹け上がり”が手に入ります。
BRZに乗り込んで、
「おっ、今日エンジンの調子がいいな」
と感じるあの瞬間を、もっと頻繁に、もっと濃く味わえる。
これはファンにとって、ただの“性能向上”以上の価値がある。
走り始めて数百メートルで違いが分かる“透明感のある回転フィール”。
BRZの走りの核となる“気持ち良さ”を、静かに底上げしてきた形です。
◆ 冷却フィン付きリアデフケース──走り続けるための信頼感

TYPE RAは、耐久レース由来の
冷却フィン付きリアデファレンシャルケース を装備。
長く走り込んだときの“性能の落ちにくさ”に直結します。
特に峠やスポーツ走行では、
リアの熱ダレが出にくいことで、クルマとの対話が途切れず続く。
「もっと踏みたい」
「もう少し攻めたい」
そんな時に、背中を押してくれるパーツです。
BRZは元々“感性で走る車”ですが、
TYPE RAはその感性の領域を より長く、より高い次元 で楽しめるようにしてくれます。
◆ シフトアシスト(レブシンク+フラットシフト)──操作と一体になる快感
レースの現場で磨かれた
レブシンク+フラットシフト は、TYPE RAのもう一つの大きな武器。
- レブシンク
シフトダウン時に自動で回転合わせ
→ 変速ショックが消え、意識が走りに集中できる - フラットシフト
アクセルを戻さずにシフトアップ
→ 加速のつながりが滑らかで、一体感が増す
6MTの楽しさを知っているファンほど、
この恩恵の大きさは理解できるはず。
操作が楽になる、というより
「変速が運転の喜びになる」
そんな感覚に近いアップデートです。
◆ 専用ZFダンパー&フレキシブルパーツ──路面の声が鮮明に

TYPE RAには 専用ZFダンパー が採用されています。
レース現場の経験から得たデータを反映し、入力に対する応答性が向上しています。
さらに、STI製フレキシブルVバーやドロースティフナーを装備。
もともと繊細なBRZのステアフィールが、さらに自然で濃いものへ。
- 操作に対する反応が素直
- 微妙な舵角でも車体がスッとついてくる
- ロールが収まりやすい
走り慣れた道を一本走れば、
「あ、これ“いい方向”に変わってる」
とすぐ分かるタイプの進化です。
◆ 外装・内装・ブレーキ──走りに直結する“実用的な美”

TYPE RAの装備は“飾りの豪華さ”ではなく、
走りの質に直結する性能装備 が軸になっています。
- STI製BBS 18インチホイール(マットグレイ/ブロンズ)
- brembo対向キャリパー(ゴールド)
- STIパフォーマンスマフラー
- STIフロント/リアアンダースポイラー
- STIドライカーボンリアスポイラー(☆装着車)
室内はブラック×レッドステッチの落ち着いた仕様。
ただ派手に飾るのではなく、“操作時に気持ちが乗る”空間に整えられています。
この「必要なものだけを、美しく」
という引き算の哲学は、まさにSTIの美意識そのもの。
◆ なぜこのTYPE RAが注目されるのか?― “BRZの美学”を壊さず、深めてきたから

BRZの魅力は、
「スペック競争より、走りの気持ちよさを追求する姿勢」。
今回のTYPE RAは、その軸をぶらさずに、
レースの知見を静かに溶かし込んだ モデルなんです。
- 数字では分からないエンジンフィールの透明感
- 長時間走っても落ちない足まわりの安定
- シフト操作の喜びが増す変速アシスト
- ステアリングに“意志が通る”操縦性の進化
派手に見せるのではなく、
長く付き合うほど深く味わえる進化。
これこそ、BRZオーナーが最も喜ぶ方向性。
ファンがTYPE RAに注目する理由は、
“限定車だから”ではありません。
これは、
BRZという文化が次の段階へ進んだ証だから です。
◆ 最後に――BRZと共に生きてきた人へ

TYPE RAは、
「BRZが好きでよかった」
そう素直に思わせてくれるモデルです。
STIとSUBARUが、
“走りが好きな人の心”をちゃんと理解したうえで生み出した、
誠実なアップデート。
これからもBRZは、ただ速いだけじゃなく、
“人の感性を育てるクルマ”であり続ける。
そんな未来を感じられる特別仕様車だと感じています。













