軽自動車規格変更はもう20年前のこと
軽自動車って車重は1トン近くてコンパクトカー並みなのに、排気量は660ccの枠からなかなか向上しませんよね。
ただ、軽の規格は1954年に定まり、排気量は60年の間に360cc⇒550cc⇒660ccと少しずつ変わってきているのです。
ボディサイズも、全長3m⇒3.4m・全幅1.3m⇒1.48mと徐々に拡大し、現行のような大きなクルマとなりました。
ただ、最後の規格変更はもう20年前で止まっています。
箱形の小さな軽自動車の過去から、現在はトールタイプが主流の軽自動車市場です。
大きくなった分、「時代に合わせて排気量や全幅を変えないのかな~?」と思います。
そろそろ次世代・世界基準の軽自動車が登場してもおかしくない時代ですよね。
自動車業界の人達は、「軽自動車の規格にどうなってほしいのか」調べてみました。
軽自動車規格変更実現は”2020年以降の電動化”がカギとなる?
シンプルに言うと、電気自動車はモーターで動くためエンジンの”排気量”は関係なくなります。
出力の問題だけになるため、規格や規制を緩くする方向へ向かうのかもしれません。
また、電気自動車は部品点数が少なく済み、コスト減少で価格を上げる必要もないので、軽自動車には都合のいい変更とも言えます。
ただ、この変更はメーカーにとって不都合となりますよね。
現行軽自動車と同じ価格で売っちゃうと収益の増加は見込めません。
エンジン排気量に代わるモーター出力やバッテリー容量に対して同じような税金をかければ、ユーザーにとって不利となり、販売台数も稼げないでしょう。
100年に一度の大変革と言われる2020年代に、この辺りの問題や課題がはっきりとして、解決へ向かうのでしょう。
見方を受け取り方をポジティブに捉えれば、期待と楽しみしかありませんね。
軽自動車とコンパクトカーの間に新たな規格枠ができる?
パッソの”軽自動車コンパクト”みたいなサイズのクルマができたら、価格的に購入しやすく、サイズもちょうどいいのではないでしょうか。まだ価格面、税金面では”コンパクトカー寄り”ですけどね。
世界には1.0L搭載の”軽自動車サイズ”が存在する
世界の自動車規格は多様で、アジア新興国向けのクルマは軽自動車のボディサイズに800cc~1000ccのエンジンを載せた車が発売されています。
たとえばマルチスズキインディアの「アルト800」は800cc・1000ccエンジンを搭載し、
- 全長:3,395mm~3,545mm
- 全幅:1,490mm~1,515mm
と、少し日本の軽自動車規格からオーバーしつつも車格は同等です。
このボディサイズで1.0L前後のエンジンを積めば、ドライブ感覚に優れ、燃費向上も期待できるのです。
一方で日本には、こんな可能性が取り上げられていました。
ホンダのS660が1.0Lクラスになる可能性もあった
ホンダS660は「1000ccエンジン搭載・100psの軽自動車としてデビューする」という話もあった、と言われながら実現には至っていません。
S1000として発売の噂でした
しかし、このような話題があるということは、軽規格変更の可能性はいつかは”ある”ということですね。
日本ではまだ先でしょうけど、世界を見据えると排気量やボディサイズの規格を変更して「輸出を増やしたい」という考え方がすでにあるようです。
ですが、なかなか排気量アップといった軽自動車規格の変更は実現しないのはなぜでしょう?
税金引き上げの問題
軽自動車税が10000円に上がって久しいですね。
これまで「軽自動車規格を普通車に近づける」という話が出ると、当時軽自動車に積極的ではなかった大手メーカーから「軽自動車の税金も普通車同等に負担すべき」との話が出ていたそうです。
現在、軽自動車とコンパクトカーの税金額の差は「年間50000円」ほどで大きな開きがあります。
そのため、この税金額の差は軽自動車にとって大きなアドバンテージになっているため、
- 「この利益を失ってまで軽自動車規格の変更や排気量アップをするのは得策じゃない」
とメーカーは考えているようです。
軽自動車はセカンドカーとして使い勝手のいい足代わり
軽自動車はちょっと出かけるとき、ファーストカーでは不便なときに重宝されます。
地方なら自転車に代わりで「あって当たり前、ないとすごく困る」という存在です。
クルマの所有が1人1台の時代に、軽自動車は手放せない存在なんですね。
そんな使い勝手のいい軽自動車の税金が上がれば、企業側としては売り上げ低下にもつながるし、ユーザーも税金をたくさん払う不利益を被(こうむ)るだけです。
だから、軽自動車規格の変更は慎重に行われ、なかなか実現に至らないという訳ですね。
規格変更の未来Labo
画像引用元:https://www.carscoops.com