ガソリンの暫定税率が廃止されると聞いて、25円ほど安くなると思っていた方は多いです。
ところが給油に行くと、170円前後のままです。安くなった実感がない、という声をよく聞きます。
だまされたのか、と感じるかもしれません。でも税金はきちんと下がっています。別のものが上がっただけです。
この記事では、何が起きたのかを順番に説明します。そのうえで、今できる工夫をまとめます。
⛽ 今いくらなのか
2026年8月24日時点で、レギュラーガソリンの全国平均は169.9円です。前の週より0.1円上がりました。
地域で差があります。安いのは中部の168.0円で、高いのは九州沖縄の173.2円です。同じ日でも5円ほど開きます。
軽油は159.3円ほど、ハイオクは180.7円ほどです。ハイオクとレギュラーの差は、10円から12円で定着しています。
170円という水準は、去年からほとんど変わっていません。ここが実感のなさにつながっています。
📉 税金は本当に下がりました

まず事実を確認します。ガソリンの暫定税率は、2025年12月31日に廃止されました。
金額は1リットルあたり25.1円です。1974年に始まって、51年ほど続いた仕組みでした。
軽油についても、2026年4月1日に廃止されています。こちらは1リットルあたり17.1円です。
消費税は税金にもかかるので、その分を含めると、ガソリンは実質27円ほど軽くなった計算になります。
実際、2026年の1月から2月にかけては、全国平均が155円台まで下がりました。ここでは効果が出ていました。
🌍 では、なぜ戻ったのか
原因は原油です。2026年2月末に中東で軍事的な衝突が起き、原油の値段が急に上がりました。
3月16日には、全国平均が190.8円という過去最高値になりました。東京では200円を超えるお店も出ています。
そこで政府は、3月19日から補助金を再開しました。170円という目安を決めて、それを超えた分を補う仕組みです。
つまり今の170円は、税金が下がったうえに補助金で押さえた結果です。何もしなければ、200円近くになっていた可能性があります。
補助金の額は毎週変わります。原油が上がれば増え、下がれば減ります。8月の途中では1リットル19円から26円のあいだで動いていました。
安くならないのではありません。下がった分が、原油の高騰で消えたということです。
🧾 なぜ税金が二重に見えるのか
もう一つ、分かりにくくしている点があります。ガソリンの値段には、いくつもの税金が入っています。
一つはガソリン税です。もともとの分に、上乗せされていたのが暫定税率でした。今回なくなったのは、この上乗せ分です。
もう一つが石油石炭税です。こちらは残っています。地球温暖化対策の分も含まれます。
そして最後に消費税がかかります。税金を含んだ金額に、さらに10パーセントが乗る形です。
この重なりが、なぜ高いのか分かりにくい原因になっています。今回下がったのは、そのうちの一つだけです。
📊 それで、いくら得しているのか
体感がないので、年間の金額に直してみます。
年に1万キロ走る車で計算します。1リットルで15キロ走るとすると、1年に使うのはおよそ667リットルです。
暫定税率の25.1円がなくなった分だけで、年に1万6,700円ほど軽くなっています。消費税を含めると1万8,000円ほどです。
軽自動車で年5,000キロ、1リットル20キロなら、250リットルで6,300円ほどです。
金額としては小さくありません。ただ、原油の高騰が同じくらいの幅で来たため、財布の中では相殺されています。
🧰 給油で損しない工夫

価格そのものは動かせません。でも、入れ方で差は出ます。
| 工夫 | 効き目の目安 | 手間 | 合わない条件 |
|---|---|---|---|
| 曜日を選ぶ | 1リットル数円 | 小さい | 給油の日を決めている人 |
| 会員価格を使う | 1リットル2円から5円 | 小さい | よく行く店が決まっていない人 |
| レギュラーに戻す | 1リットル10円前後 | なし | ハイオク指定の車の人 |
| タイヤの空気圧を保つ | 燃費で数パーセント | 月1回の点検 | 自分で見るのが不安な人 |
| 余分な荷物を降ろす | 燃費で数パーセント | 一度きり | 常に道具を積む仕事の人 |
曜日については、価格の改定が木曜に行われるお店が多いです。値上がりの週なら、水曜のうちに入れておくと差が出ます。
ハイオク指定の車にレギュラーを入れるのは避けてください。指定がレギュラーの車にハイオクを入れても、燃費や力はほとんど変わりません。
空気圧は、月に1回見るだけで違います。スタンドの空気入れは無料で使える所がほとんどです。
車の維持費を全体で把握したい方は、こちらに計算の手順を書いています。
🚗 燃費が落ちる原因も見ておく
同じ車でも、燃費は年々落ちます。値段の話の前に、ここを確かめる価値があります。
多いのがタイヤの空気圧です。1か月で自然に減るので、放っておくと燃費が数パーセント落ちます。
次にエアフィルターの汚れです。エンジンが吸う空気の通り道で、詰まると力が出にくくなります。交換の目安は3年か5万キロほどです。
エンジンオイルも同じです。汚れたまま走ると、動きが重くなります。1年か5,000キロが交換の目安とされています。
急な発進と急な減速も、燃費を落とします。信号の手前でアクセルを早めに戻すだけで、体感できるほど変わります。
⏳ 補助金はいつまで続くのか
ここが一番読めない部分です。終了の時期は決まっていません。
政府の説明では、暫定税率の扱いについて結論が出て、それが実施されるまで続けるとされています。国会での議論次第という状態です。
補助金がなくなれば、原油が今のままでも190円前後に戻る計算になります。ここは頭の隅に置いておいてください。
反対に、原油が下がれば補助金は自然に縮みます。そのときは、税金が下がった分がはっきり見えるはずです。
💡 燃料代そのものを減らす道
工夫には限界があります。もっと大きく減らしたいなら、車を替えるしかありません。
年1万キロで1リットル10キロの車なら、年に17万円ほどかかります。20キロ走る車に替えれば、半分の8万5,000円です。
電気自動車なら、家で充電できる場合はさらに下がります。ただし、外の充電だけで暮らすのは手間も費用も大きいです。
外での充電の実際は、こちらに書いています。
軽の電気自動車の中身を知りたい方は、こちらもどうぞ。
🔁 買い替えを考えるなら、今の車の値段が先です
燃料代を理由に買い替える場合、差額が何年で戻るかを見てください。年8万5,000円浮くとしても、買い替えに200万円かかれば話は変わります。
そのときに要るのが、今の車がいくらで売れるかという数字です。ここが分からないと、計算そのものができません。
ユーカーパックは、査定を1回受ければ全国の買取店が値段を出し合う仕組みです。売ると決めていなくても、相場を知る目的で使えます。1社ずつ電話が来ないので、迷っている段階でも進めやすいと思います。
買い替えにかかるお金の順番は、こちらにまとめました。
⚠️ こんな人には向きません
給油が年に数回という方には、今回の話はほとんど関係ありません。金額の差が出にくいためです。
ハイオク指定の車に乗っている方も、燃料の種類は変えられません。工夫できるのは入れ方だけです。
補助金の終了に合わせて動きたい方も、待つのは難しいです。終わる時期が決まっていません。
反対に、毎日通勤で使う方には、年に2万円近い差が出ています。工夫を足せば、もう少し広がります。
✅ 今日からできる三つ
一つ目は、今月のガソリン代を確かめることです。給油の記録を見れば、年間の額がすぐ出ます。
二つ目は、タイヤの空気圧を見ることです。月に1回で、燃費が数パーセント変わります。
三つ目は、よく行くお店の会員価格を確かめることです。1リットル2円でも、年に1,000円以上の差になります。
余裕があれば、給油の記録をアプリで残してみてください。燃費が落ちてきたら、車のどこかに不調が出ている合図になります。
税金の話は難しく感じますが、動かせるのは手元の使い方だけです。そこから始めていただけたらと思います。


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