PR
スポンサーリンク

冠水した道は走れるのか 引き返す水深の目安

カーライフ
本サイトにはプロモーションが含まれています。

急な大雨で、目の前の道が水に浸かっている。行けそうにも見えるし、引き返すと遠回りになる。

この数秒の判断で、結果が大きく変わります。毎年、同じ場面で車ごと動けなくなる方が出ています。

先に結論を書きます。

入らないでください。

これはJAFも同じことを呼びかけています。

とはいえ、理由が分からないと納得できないと思います。この記事では、実際のテストの数字を出しながら、どこで何が起きるのかを説明します。

スポンサーリンク

📏 数字で見る限界

JAFが、冠水したアンダーパスを想定したテストを行っています。水がたまった部分の長さは30メートルです。

水深30センチで時速10キロなら、セダンもSUVも走り切れました。ここだけ聞くと、案外いけそうに感じます。

ところが同じ30センチでも、時速30キロにすると話が変わります。巻き上げた水がエンジンルームに大量に入りました。車の底のカバーや、ホイールのカバーが外れた例もあります。

水深60センチになると、セダンは時速10キロでも31メートル地点でエンジンが止まりました。SUVは時速10キロなら走り切りましたが、時速30キロではわずか10メートルで停止しています。

このとき、車体が一瞬浮いてハンドルを取られる現象も確認されています。浮いてしまうと、ハンドルもブレーキも効きません。

大事なのはここです。

水深30センチの時点で、すでに車内やボンネットの中に水が入っています。走り切れたとしても、その後その車は使えなくなる可能性があります。

📊 車のタイプ別に整理します

同じ水深でも、車の形で結果が変わります。ただ、どれも安全という意味ではありません。

車のタイプ水深30センチ水深60センチ合わない条件
セダン時速10キロなら走れた途中でエンジン停止水深が読めない場所すべて
SUV時速10キロなら走れた時速10キロのみ走れた速度を落とせない場面
軽自動車時速10キロなら走れた時速40キロで途中停止車体が軽く浮きやすい状況
電気自動車走れたが警告が出た故障の警告が複数出た復旧に手間がかかるのが困る人

軽自動車は、車体が軽いぶん浮きやすいです。水深が増すとタイヤが地面から離れ、操作ができなくなります。

電気自動車は、マフラーがないので水に強いと思われがちです。実際のテストではモーターは止まりませんでしたが、複数のシステム故障の警告が出ました。エンジンがないから大丈夫、という話にはなりません。

🚙 SUVは本当に強いのか

ここが一番聞かれる部分だと思います。答えは、30センチまでは有利、60センチでは同じ、です。

理由は最低地上高です。

地面から車体の底までの高さで、SUVはこれが大きく取られています。バンパーの位置も高いので、30センチくらいなら車体の下を水が通ります。

ただ、60センチではエンジンが空気を吸う口まで水が届きます。ここに水が入ると、車高に関係なく止まります。

SUVが増えている理由についても触れておきます。

世界で売れる形だから、荷物が積めるから、視界が高くて運転しやすいから。この三つが大きいです。

災害に備えて背を高くした、という話は聞きません。車高が高いのは、悪路を走るための設計から来た結果です。冠水に強いのは、その副産物だと思います。

ですから、SUVだから突破できるという考え方は持たないほうがいいです。テストでも60センチで止まっています。

地震のあとのがれきについても、同じことが言えます。がれきの中は、釘やガラスでタイヤがすぐ駄目になります。車で越えるより、歩いて避難するほうが確実です。

🌧 なぜ水深が読めないのか

テストの数字は、平らな路面での結果です。実際の冠水路は、これよりずっと条件が悪いです。

まず、水が濁っています。茶色く濁った水は、深さがまったく分かりません。10センチに見えて、実は50センチということが起きます。

次に、水の下に段差があります。アンダーパスは、真ん中に向かって下っている構造です。入口が20センチでも、真ん中は倍以上になります。

さらに、マンホールのふたが水圧で外れていることがあります。落ちれば車輪が沈み、そこで動けなくなります。見えない側溝も同じです。

水が流れている場合は、さらに危険が増します。横から押されると、走っていても車体が流されます。

つまり、30センチなら走れるという数字は、深さが分かっている場合の話です。分からない場所では、この数字は使えません。

🚪 止まってしまったときにやること

ここが命に関わる部分です。順番を覚えておいてください。

まず、エンジンが止まったら再始動しないでください。水を吸った状態でかけると、エンジンが壊れます。

次に、すぐ外に出ることです。車の中で助けを待つ、という判断が一番危険です。水位は数分で上がります。

ドアは、外の水位が30センチを超えたあたりから開きにくくなります。水圧で押さえつけられるためです。60センチを超えると、まず開きません。

その場合は窓から出ます。パワーウインドウは、水に浸かっても少しの間は動くことがあります。ためらわずに開けてください。

窓が動かないときは、割って出るしかありません。ここで役に立つのが脱出用のハンマーです。ただし、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。割るのは横か後ろの窓です。

出たあとは、高い場所へ移動してください。車は後回しです。水が引いてからでも間に合います。

体が冷えて震えが止まらない、呼びかけへの反応が鈍い。こうした状態の人がいたら、迷わず119番に連絡してください。

🧰 そもそも近づかないための備え

一つ目は、アンダーパスと高架下を避けることです。まわりの水が集まる場所なので、真っ先に水がたまります。

二つ目は、住んでいる地域のハザードマップを見ておくことです。冠水しやすい場所は、だいたい決まっています。

三つ目は、豪雨のときは動かないことです。強い雨は30分ほどで弱まることが多いです。その30分を惜しまないでください。

失敗しやすいのが、前の車が通れたから大丈夫と考えることです。水位は刻々と上がります。1分前の情報は、もう古いです。

それでも進むしかないときは、前の車のタイヤがどこまで浸かっているかを見てください。タイヤの半分、あるいはドアの下端を超えそうなら、そこは引き返す水深です。

車が動かなくなったときの初動は、症状別にこちらへまとめてあります。

車のトラブル対処まとめ 症状別の初動

💧 水に浸かった車は、そのあとどうするか

水が引いても、自分でエンジンをかけないでください。見た目が乾いていても、内部に水が残っていることがあります。

まず販売店か整備工場に連絡して、運んでもらってください。無理に動かすと、直せるはずのものが直せなくなります。

床まで水が入った車は、修理費が高くつきます。電装品とさびが後から出てくるためです。修理して乗り続けるか、手放すかの判断が必要になります。

水が引いたあとで効きが悪くなる場所もあります。エアコンはその代表です。

車のエアコンが効かない 原因と修理費の目安
車のエアコンが効かないときの原因を、風が出ない、ぬるい、最初だけ冷えるの三つに分けて説明します。フィルター交換からコンプレッサー交換までの修理費の目安、直すか手放すかの分かれ目、暑さの中で気をつける体調の目安までまとめました。

保険を使うかどうかも、金額次第で変わります。等級が下がる分と修理費を比べる話は、こちらに書いています。

保険を使わないほうが得になる境界線

修理の見積もりが出たら、今の車がいくらで売れるかも同時に調べてください。修理費が売却額を超えるなら、手放すほうが手元に残ります。

走行距離が多い車ほど、この計算は手放す側に傾きます。

走行距離10万キロの車は売れる 査定と売り時
走行距離10万キロを超えた車でも値段はつきます。距離で査定が下がる理由、距離より先に見られている三つの点、下げ幅を小さくする手順と売り時の目安を、数字を使ってやさしくまとめました。

ユーカーパックは、査定を1回受ければ全国の買取店が値段を出し合う仕組みです。水に浸かった車でも、状態を伝えれば値段が付くことがあります。1社ずつ電話をしなくて済むので、大変なときでも進めやすいと思います。

⚠️ こんな人には向きません

どうしても通らないと間に合わない、という事情がある方にも、この記事は同じことしか書けません。間に合わないほうがましです。

車高の高い車に乗っているから平気だと考えている方も、テストの数字を見てください。60センチで止まっています。

水たまり程度の話を探している方には、大げさに感じると思います。この記事は、タイヤの半分を超える水を想定しています。

反対に、大雨のたびに不安になる方には、判断の基準として使っていただけます。迷ったら引き返す、それだけです。

✅ 今日からできる三つ

一つ目は、通勤路にアンダーパスがあるかを確かめることです。あるなら、大雨の日の迂回路を今のうちに決めておいてください。

二つ目は、脱出用のハンマーを運転席から手の届く場所に置くことです。トランクに入れていては間に合いません。

三つ目は、雨雲の動きを見られるアプリを入れておくことです。強い雨がいつ弱まるかが分かると、待つ判断がしやすくなります。

行けるかもしれない、と思ったときが引き返すときです。少し遠回りしても、無事に着くほうがずっといいです。

コメント