公式発表を見てから査定を取ろうとして、間に合わなかった人がいます。
新型が出るかどうか分からない段階で動くのは、たしかに怖いです。だったら公式が発表してから査定を取ればいい。私もそう考えていました。
ただ、それが成立するかどうかは車種によって変わります。発表から発売まで10か月ある車もあれば、発表の翌日に発売された車もあるからです。実際の数字を並べてみたら、この差がはっきり見えました。
🕒 何を数えたのか
数えたのは、その車について最初に出た公式アナウンスの日から、日本で発売された日までの期間です。
最初の公式アナウンスというのは、ワールドプレミア、ショーでの先行公開、あるいは発表会そのものを指します。スクープや予想記事は含めていません。メーカーが自分の名前で出した情報だけを起点にしています。
対象は2025年から2026年に発売された9車種です。軽から大型SUVまで、価格帯もばらつくように選びました。
📋 9車種の実データ

| 車種 | 最初の公式アナウンス | 日本発売日 | 期間 |
|---|---|---|---|
| ホンダ プレリュード | 2025年9月4日 発表 | 2025年9月5日 | 1日 |
| ホンダ N-ONE e: | 2025年7月28日 先行情報公開 | 2025年9月12日 | 約1か月半 |
| スズキ ジムニーノマド | 2025年1月30日 発表 | 2025年4月3日 | 約2か月 |
| トヨタ ランドクルーザーFJ | 2025年10月21日 世界初公開 | 2026年5月14日 | 約7か月 |
| トヨタ RAV4 | 2025年5月21日 世界初公開 | 2025年12月17日 | 約7か月 |
| 日産 リーフ | 2025年6月17日 グローバル発表 | 2026年1月15日 | 約7か月 |
| 日産 エルグランド | 2025年10月29日 先行公開 | 2026年7月16日 | 約8か月半 |
| マツダ CX-5 | 2025年7月10日 世界初公開 | 2026年5月21日 | 約10か月 |
| 三菱 パジェロ | 2026年5月29日 車名と公開時期を発表 | 未発売 | 進行中 |
いちばん短いのが1日、いちばん長いのが約10か月です。同じ「公式発表」でも、意味がまったく違います。
🔀 発表のしかたは2つの型に分かれます
表を上下で切ると、きれいに分かれます。
下の5車種は、ワールドプレミアや先行公開が先にあって、そこから発売まで時間があるパターンです。ランクルFJ、RAV4、リーフ、エルグランド、CX-5の5台を平均すると、約8か月ありました。
上の3車種は違います。発表と発売がほぼ同時、あるいは2か月以内です。プレリュードにいたっては、9月4日に発表して翌9月5日に発売しています。
この差は偶然ではありません。
前者はグローバルで売る戦略モデルで、ショーで話題を作ってから各市場に順次投入します。
後者は国内専用か台数を絞ったモデルで、話題を引っ張る必要がない代わりに、発表から発売までを短く詰めてきます。
⚖️ こんな人には向きません
先に書いておきます。「公式発表を待つ」という考え方が合わない方もいます。
平日の日中に動けない方には向きません
人気車の初期ロットは、発表から数日で枠が埋まることがあります。週末まで待つと選択肢が減ります。
査定から売却まで1か月以上かけたい方も向きません
じっくり比較したい場合、発表を確認してから動くと後手に回ります。
逆に、乗り換えまで半年以上の余裕がある方には、この待ち方はかなり有効です。表の下半分に入るような戦略モデル狙いなら、時間は十分あります。
車種ごとの発売予定を先に把握しておきたい方は、トヨタ新車発売情報2026のようなメーカー別の一覧を押さえておくと、どちらの型になりそうか見当がつきます。
📕 発売スケジュールをまとめて追いたい方へ
各社の発売予定を一つずつWebで追うのは、正直しんどいです。私は一度やってみて挫折しました。
ベストカーは新車の投入計画を定期的に一覧で整理してくれるので、どの時期に何が来るかを俯瞰するのには向いています。月2回刊なので、更新のペースとしても現実的です。
たとえば2026年4月発売のこのような表紙の号です。
🚨 ジムニーノマドが示した例外
ここまでだと「短い型でも2か月あるなら大丈夫」と読めますが、そうとも限りません。
スズキはジムニーノマドを2025年1月30日に発表し、発売日を4月3日と告知しました。数字の上では2か月あります。ところが発表から4日後の2月3日、スズキは注文の受付を停止しました。月間販売計画1200台に対して、約5万台の注文が入ったためです。
受注が再開されたのは2026年1月30日。発表からちょうど1年後です。つまり実質的に、動けた期間は4日間しかありませんでした。
これは極端な例ですが、教訓ははっきりしています。発売日までの期間ではなく、枠が埋まるまでの期間で考える必要があるということです。
🎯 本当の締め切りは発売日ではありません
では何を締め切りにすればいいのか。調べていていちばん役に立ったのが、先行受注の開始日でした。
| 車種 | 先行受注の開始 | 発売日 | 差 |
|---|---|---|---|
| ホンダ N-ONE e: | 2025年8月1日 | 2025年9月12日 | 約1か月半 |
| 日産 リーフ | 2025年10月17日 | 2026年1月15日 | 約3か月 |
| マツダ CX-5 | 2026年3月5日 | 2026年5月21日 | 約2か月半 |
| 日産 エルグランド | 2026年5月28日 | 2026年7月16日 | 約1か月半 |
発売の1か月半から3か月前に、必ず先行受注が始まっています。ここが実質の号砲です。
発売日から逆算すると余裕があるように見えても、先行受注日から逆算すると急に短くなります。査定を取って比較して売却先を決めるまでに2週間前後かかるとすれば、準備は先行受注が始まる前に終わっていないと間に合いません。
📊 動き方の4パターン
| 動き方 | 向いている人 | 合わない条件 | 目安 |
|---|---|---|---|
| ワールドプレミアを見てから査定 | 乗り換えが半年以上先 | 発表即発売型の車種を狙う | 平均8か月ある |
| 先行受注の開始で査定を取る | 初期ロットが欲しい | 査定に2週間以上かける | 実質の締め切り |
| 発表当日に動く | 情報を毎日追える | 平日に動けない | 数日で枠が埋まる例あり |
| 発売後に実車を見てから | 現物を確認したい | 早期の納車が必要 | 納期は後ろへ延びる |
自分がどれに当てはまるかで、査定を取るタイミングが決まります。
1行目と2行目の人は準備の余裕がありますが、3行目の人は事前に数字を持っていないと勝負になりません。
💰 逆算すると、やることは一つに絞れます
どのパターンでも共通しているのは、査定額を先に知っておく必要があるという点です。
査定そのものは早く終わりますが、複数社を比べて納得してから決めるとなると、それなりに日数を使います。この時間を発表後に確保しようとするから間に合わなくなります。
手順とかかる日数は車の売却で損しない手順 売り時から乗り換えまでにまとめました。査定を受けても売る義務はないので、数字だけ先に取っておく使い方で構いません。買うと決めてから査定を始めるより、査定を知ってから買うものを決めたほうが、選択肢は広がります。
🗓️ 発売時期が読めない車種は別枠で考える
今回の9車種は、いずれもメーカーが公式に日程を出したものです。
逆に言えば、公式が何も言っていない車種は、この逆算がそもそも使えません。
たとえば新型RX-7復活!510馬力ロータリーPHEVが2028年登場かのような、まだ予想の段階にある車種がそれにあたります。年号は動きますし、量産化そのものが確定していません。
エンジンの投入計画から時期を絞れる例もあります。
新型CX-5 ストロングハイブリッドSKYACTIV-Z 2027年予想|内燃機関は終わらないで書いたように、ユニットの量産開始時期が先に分かっていると、搭載車の登場時期もある程度は逆算できます。ただそれでも、公式の日程が出るまでは推定のままです。
📗 続報を追うなら誌面が早い
パジェロは2026年秋の世界初公開が公式に決まっていて、そこから発売までがまた別の期間として乗ってきます。今回の9車種の傾向からすると、公開後さらに数か月は見ておくのが自然です。
こういう日程の話は、続報が出るたびに前提が動きます。まとまった形で定期的に確認するほうが、断片を追い続けるより結果的に速いです。
✅ まとめ
9車種を数えて分かったのは、公式発表から発売までの期間が1日から10か月まで開くということです。ワールドプレミア型なら平均で約8か月、発表即発売型なら数日から2か月しかありません。
そして本当の締め切りは発売日ではなく、その1か月半から3か月前に始まる先行受注です。ここまでに査定額を持っていれば、どの型の車種が来ても対応できます。
ジムニーノマドのように、告知された発売日より前に枠が閉じる例もあります。発表を見てから動くという方針そのものは合理的ですが、動き出しの速度は自分で用意しておく必要があります。


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