車サブスクリプションを利用しない4つのネック|賃貸2軒契約の感覚に価値持てる?
KINTOの車サブスクリプションを利用する「価値」って何なんですかね?
- 新車に乗れる
- 可処分所得の管理を視覚化できる
- 任意保険料の高さに抵抗がなくなる
- 3~5年で乗り替え安く乗る
といった謳い文句で新サービスを広めたい意図がうかがえますよね。
しかし、この通りにユーザー側が感じているのかどうか疑問です。
そこでKINTOを利用しないネックになっている4つの視点を明らかにします。
利用しないネック①固定費
固定費(月々の支払い額)が大幅に増えるので、KINTOが気になってる人でも利用しない理由になっているかもしれないですね。
- 「月々の支払い額」増=「利用しない理由」
だから、KINTO利用は大きく分けて3つのタイプの人限定です。
- 総支払い額から支出をイメージできる人なら月々支払い額を用意しやすい
- 充分な貯蓄や2本以上の副収入がある人なら利用時の負担をイメージしやすい
- 健康な体・継続的に収入が見込める企業に勤め展望が見えている人なら大丈夫
当てはまったでしょうか?
KINTOのサービスは2019年2月に開始しています。
その1年後に感染症が急拡大していますね。
2020年に仕事を失う人も出て来た世の中です。
サービス開始のタイミングもあまりよくなかったと感じます。
これでは、収入の破綻が脳裏によぎる人は、心配になって利用までの一歩が出ません。
資産が500万円以上あって資金に余裕がある人なら、収入が途絶えてもこういうサービスに手を出せるでしょう。
ということで、KINTOほかカーリースの謳い文句は、鵜呑みにできないものが多いですね。
- 貯金ゼロでも、新車が持てる!
- 貯金を崩さず新車生活を始めませんか!?
- ライフスタイルに適したサービスの利用で生活の質は向上して賢く車を利用可能
コワッと思います。
まず、貯金ゼロで、もしサービスを利用して会社が倒産したり、解雇・退職する目に遭えば、かなりのリスクです。
貯金がある人で毎月の収入から月々の支払いが楽に可能な人なら、貯金を崩さず利用できるでしょう。
つまり、月々の固定費が増えても痛くなく、貯金などの資産には手を出さなくていい人。
楽に支払い可能なライフスタイルをすでに持っている人なら、生活の質は向上し、賢く新車ライフを楽しめます。
利用しないネック②利率(利息/利息額)
金利が車両本体だけにかかるローンに対し、KINTOは月額すべてに利率がかかっています。
でも、KINTOは
- 金利も含まれる
- 時が来たら返却で終わり
- 売却や下取りを気にしなくていい
といった点が魅力です。
一方のカーローンは「購入」で車両本体やオプション、諸費用の借入金と利息を合わせた金額を分割で返済する仕組みです。
その他の費用が含まれないので、カーローンは支出が不安定な支払い方法となります。
カーリースは最後にクルマを買い取ると「金利上乗せ」
カーリースにかかる利息は、最後の買取まで行くと、トータル支払い額で言うと現金払いより多くなります。
しかも、利率は公開されていないので、カーリースの利率の数字はわかりません。
カーローンは利率を公開
割合はローンの借入先によって異なり、目安は以下。
銀行ローン:年1〜2%
ディーラーローン:年4~8%
残価設定ローン:年5〜7%
数字として提示されているローンと利率不明のカーリースでは、利息を多く支払ってしまう可能性もあります。
カーリースはリース会社が購入して借りるシステム
カーリースは「リース会社が所有する車」を月額料金を払って利用します。
利用料となる月額料金に含む車両代金は、返却分の残価が引かれるため車両価格が購入よりも安くなるんですね。
カーリースの月額料金
- 購入時に必要な登録諸費用
- 毎年の自動車税(種別割)
- 数年おきの車検で支払う自動車重量税や自賠責保険料
- 各種手数料や「利息」
オプションのメンテナンス費用(車検・消耗品交換)も定額に含められます。
至れり尽くせりな分、カーリースは利率範囲が広いというわけです。
月額料金の車両代、税金、保険料、手数料、メンテナンス費用。
カーリースの利率は上記ぜんぶにかかるため、カーローンに比べると利息の額は高くなるのです。
利用しないネック③資産にならない
KINTOで3年契約した場合、1回目の車検前に返却します。
なので、車検代はかかりません。
しかし、車両の所有にお金を払うわけではなく、利用する「権利」に料金を払うので、自分のものにはなりません。
クルマを所有した感覚になったあと、何も残らない、利用する権利すらなくなるのがカ-リースです。
まぁクルマは所有して、車庫に置いておこうと、乗り回そうと、お金を生み出すものではないですよね。
この点で「資産にならない」のがクルマです。
資産とは、所有するだけでお金を生み出してくれるもの。
クルマを資産にするには、結局購入して誰かに貸し出して賃料を取らない限り、資産になりません。
だとしても、1台貸して大した賃料を得られるものでもないので、個人でクルマを資産にするのは困難でしょう。
この点では、車両の購入も利用も、資産にならない意味で大差ないと言えます。
利用しないネック④解約金
KINTO ONEは3年間利用することを前提に、月々の利用料を設定。
3年経たずに中途解約したら、解約金がかかります。
中途解約金
- 6ヶ月利用での中途解約では月額リース料金の5ヶ月分
- 12ヶ月利用での中途解約では月額リース料金の4ヶ月分
- 18ヶ月利用での中途解約では月額リース料金の3ヶ月分
- 24ヶ月利用での中途解約では月額リース料金の2ヶ月分
- 30ヶ月利用での中途解約では月額リース料金の1ヶ月分
賃貸契約更新の中途解約と似ていますね。
もし中途解約したら、「もったいないな~」という程度の感覚かもしれませんね。
以上のネックを総じて、KINTO利用に向かない人、クルマのサブスクを利用するとストレスMaxになってしまう人をまとめました。
KINTO利用が向いてない人・ストレスになる人
- 貯金が出来ない人
- 借入負担が精神的にのしかかる人
- 月の予算を圧迫する可能性のある人
- 家賃とのダブル固定費に耐えられない人
- 経営者で地代家賃(会社固定費)が負担になる人
- 通信費・日用品費・娯楽費を優先させたい人
- ツラい固定費節約を頑張ってる人
- 節約は「固定費削減が一番」と思う人
- 家賃・住宅ローン返済・社員の給料で手一杯の人
- ローン・分割払いが嫌いな人
こういった人にKINTOやカーリース利用は向いていないでしょう。
KINTO・カーリースは固定費が大幅に増える利用方法です。
サラリーマンの給料、経営の売り上げがたとえ「0」でも、毎月必ず請求されます。
大きな所得(フロー)か大きな資産(ストック)または貯金がない人はやめておいたほうが良いでしょう。
上記4つのネックを越え、利用する価値を感じられる人はどういう人か?考察します。
KINTOの車サブスクリプションを利用する「価値」
賃貸2軒契約の感覚に価値を持てるか?
結論は
- 不動産賃貸の契約感覚で借りられるかどうか?
- 2軒以上賃貸契約をしているイメージ
このハードルを越えられたら、KINTOを利用する価値を感じられると思います。
最後にKINTOのポジティブポイントをまとめます。
KINTOのポジティブポイント
- プラン・車・オプション料を「月々定額払い」
- 月額費用にその他の諸費用も含まれる(任意保険・自動車税・定期メンテナンス)
- 固定費に変動費を含む支払い方法なので「管理が楽」
- 車を所有することの「手間を省ける」
- 1回目の車検前に返却するので「車検なし」
- 頭金なし、諸費用込みの月々定額で「新車に乗れる」
- クレジットカード払いで「ポイントが貯まる」
- 法人個人事業主が「節税目的」で利用
このポイントと自身のお金の流れが一致するなら、KINTOを利用する価値が持てるでしょうね。