現行の軽自動車は予防安全装備など、登録車と同等のものが多くなりました。
しかし、2モーター式のハイブリッドやプラグインハイブリッドは軽自動車にまだ用意されておらず、今後、テクノロジーの応用範囲が広い車種とも言えます。
目次
軽自動車エンジンの進歩
軽自動車で直噴エンジンを製造しているのはスズキだけで、ダイハツとホンダ、日産と三菱はまだ直噴エンジンを開発していません。
ダイハツ
2018年に「主力小型車は直噴化しない」という記事が掲載されており、新型変速機であるD-CVTによる燃費向上を果たしていることもあり、テクノロジー的な問題よりはコスト的な問題で直噴エンジン化を見送っている模様です。
ホンダ
1.5Lエンジンで直噴エンジンを実用化しているため、需要のバランスによっては導入もあり得る範囲といえるでしょう。
三菱と日産
バッテリーアシストの低燃費化を図っています。
三菱が直噴エンジンの製造を停止していることから、軽自動車への採用はルノー製エンジンベースとしてもやや難しいのかもしれません。
ダウンサイジングターボの方向性に関して
すでに0.66Lで64馬力と、リッターあたり100馬力近い数値をターボエンジンで出している軽自動車を考えると、例えば「0.45Lで45馬力のエンジンを作って燃費向上を目指す」という路線はないとみていいでしょう。
一方、0.66Lで80馬力のようなエンジンに関しても、
- 軽自動車の存在意義に触れる問題
- そこまでのパワーを必要としない問題
もあるため採用はないはずです。
軽自動車は現在、ほぼすべての車種で無段変速機を採用しています。
燃費に対してのメリットがそれほどないこともあり、DSGや多段ATの搭載の可能性はかなり低いといえるでしょう。
”ハイブリッドシステムによる低燃費化”に関して
スズキがワゴンRをはじめとしたマイルドハイブリッドで先行しており、三菱と日産もバッテリーアシストを実現しています。
ダイハツ
”トヨタ参加”と言えど、1モーター式のハイブリッドであれば「ほぼ新規の作成が必要となる」と考えられます。
しかし、自動車の電動化がある程度求められる環境でもあるため「あり得ない」とは言えないレベルになっています。
ホンダ
ホンダは2モーター式のハイブリッドがメインとなっています。
しかし、重量・出力が大きすぎるため、IMAやSPORT HYBRID i-DCDなど旧来のハイブリッドシステムを応用するといった方向性が考えられます。
ただし、ダイハツ・ホンダはタント、N-BOXの販売社内トップクラスの軽自動車を”フルモデルチェンジしたばかり”ということもあり、当面軽自動車へのハイブリッドシステムの搭載はないとみていいでしょう。
トヨタ・ホンダ2モーター式ハイブリッドシステムや日産e-POWER
これらは比較的、低出力なエンジンで大出力モーターを発電させるもので、数値的に0.66Lエンジンで70~90馬力以上を発生させるような比率のため、自主規制の64馬力を超えてしまいます。
バッテリー搭載スペースのサイズ的余裕もないため、軽自動車の2モーター式ハイブリッド登場の可能性は低いと見られます。
そのためプラグインハイブリッドの登場もかなり可能性が低いとみていいでしょう。
軽の電気自動車
三菱がすでに実用化しており、日産も開発中なので、今後のジャンルとして期待されます。
ただ、航続距離は登録車と比べて劣るため、サイズ的に仕方がないといえるでしょう。
軽自動車の安全装備に関する進歩
軽自動車は予防安全装備と安全設計ボディに関しては非常にハイレベルで、エアバッグも登録車と同等のものが装備されています。しかし、
- ホンダで採用されているポップアップフードシステム
- スバルで採用している歩行者被害低減エアバッグ
上記に関してはまだ採用されていません。
こちらに関してはコスト的な問題が大きいようで、類似装備はどのメーカーの軽自動車にも用意されていません。
また、どちらもオプション装備ではなく”標準装備となっている”ことも装備コストの問題点となっているようです。
ただ、ポップアップフードシステムはデザイン上”ボンネットを下げる”という意図もあるため、もともとボンネットの高い軽自動車には装備されない可能性もあります。
歩行者被害低減エアバッグはスバルだけの技術のため、他メーカーへの波及は難しいのではとも考えられます。
かなり先の話となりますがダイハツ次第となるでしょう。
軽自動車テクノロジー進歩Labo
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