認知機能検査とは|高齢者の運転免許証更新で必要な高齢ドライバーの高齢者講習
認知機能検査は高齢ドライバーに向けて行われるもので、運転免許の更新期間満了日時点の年齢が75歳以上のドライバーが受けなければいけないものとなります。
対象者には免許更新期間・満了日の6日前までに警察から高齢者講習の通知とともにお知らせが届きます。
なお、”臨時認知機能検査”というものも存在しており、こちらは75歳以上のドライバーが認知機能低下したときに起こしやすい
- 信号無視や通行禁止違反
- 合図不履行
- 安全運転義務違反
上記を含む18種類の項目の交通違反をしてしまった際に、”記憶力や判断力の低下をしていないか?”を確認するものとなっています。
基本的にどちらの検査も自動車教習所で行うことができるようになっており、試験の項目は同等のもので、30分間の筆記試験となっています。
高齢者の運転免許証更新で必要な高齢ドライバーの高齢者講習・認知機能検査とは?
認知機能検査の内容と経緯
認知機能検査の内容は時計の文字盤を描き、
- 指定された時刻を表す針を描く時計描写
- 検査時における年月日、曜日、時間を回答する時間の見当識
- 提示されたイラストを記憶
したのち、イラストとは関係のない課題を行ったうえで記憶したイラストを回答していきます。
のちにヒント付きで回答する手がかり再生の3つが検査項目となっています。
トータルの採点によって
「記憶力・判断力が低くなっている(認知症のおそれがある)」
「記憶力・判断力が少し低くなっている(認知機能の低下のおそれがある)」
「記憶力・判断力に心配がない(認知機能の低下のおそれがない)」
の判定が行われるようになっており、検査結果についてはその場での通知または後日の郵便による通知となっています。
この検査によって「記憶力・判断力が低くなっている(認知症のおそれがある)」と判断された場合、警察から連絡があるようです。
臨時適性検査を受け、都道府県の公安委員会が指定する医師またはかかりつけの医師による認知症の診断書を提出する必要があります。
ここで認知症であると診断された場合は手続きののち公安委員会の判断によって運転免許が停止または取り消しとなります。
なお、認知機能検査は簡易的な手法となっており、医師の行うものではないという点は注意したほうが良いでしょう。
高齢者講習とは
認知機能検査は高齢ドライバーに向けて行われるものです。
運転免許の更新期間満了日時点の年齢が70歳以上のドライバー、または、70歳以上の方で自動車免許を再取得しようと考えている方に向けられたものとなっています。
こちらも自動車教習所で行われるもので、予約が必要になります。
講習内容は74歳までの方の区分が双方向型講義、運転適性検査、実車の講習。
75歳以上の方はこれに加えて60分の個別指導が加わります。75歳以上の方は認知機能検査も加わります。
高齢者講習は1998年から義務化されており、2017年から認知機能検査が強化されています。
昨今の高齢ドライバーの事故の増加の問題や、自動車の安全装備の進化の面から高齢者講習の内容自体は変化する可能性があります。
高齢者向け安全機能車の限定免許案
高齢者向けの交通安全対策として、安全機能車の限定免許案が現在検討段階にあります。
こちらは自動車の車種が限定される免許で、ブレーキアクセルの踏み間違い防止機能や衝突被害軽減ブレーキを装備している車のみの運転ができるものと想定されているようです。
この免許制度と認知機能検査の結果をつなげるものかはまだ不祥です。
認知機能検査において「記憶力・判断力が少し低くなっている(認知機能の低下のおそれがある)」という結果だった場合、一般の免許からこの限定免許への移行を促していくという方向も考えられます
しかし、現在の認知機能検査の結果は3段階しか設定されていないため、この免許が設定された場合にはもう少し細かい区分になることも考えられるでしょう。
実際の導入レベルには至っていない段階です。
一方で、この免許の場合予防安全装備が搭載されていないため、2017年までの製造の軽トラックは利用できなくなります。
今後販売される新車には
- ブレーキアクセルの踏み間違い防止機能
- 衝突被害軽減ブレーキの装備
の義務化なども検討されています。
新車でこれら予防安全装備搭載比率はかなり高くなっており、今後の動向はやや不透明です。
実現した場合には各メーカーにおいて車種の紹介に限定免許対応車種と明記され、選びやすくなるでしょう。
自動運転車の進歩も見られるものの、免許システムの変化を促すほどの普及台数とは言えません。
判断力が低下している場合の運転ミスをすべてフォローできるテクノロジーもないため、
- 自動運転車に関しての限定免許の登場
- 自動運転車による高齢ドライバーへの安全対策・運転サポート
という段階は早くても2030年あたりの話になるでしょう。