自動車産業の今後の方向性を示す言葉としてCASEという言葉があります。読み方は”ケース”です。
- 【Connected】つながるコネクト
- 【Autonomous】自動運転
- 【Shared & Services】シェアリング販売システム
- 【Electric】電気自動車
上記の頭文字となっており、今後の自動車にとって必要とされる分野をまとめた概念といえます。
目次
【Connected】つながるコネクト
テクノロジーを必要とするCASEの概念の中で、最も実現化が進んでいるのがコネクト技術といえるでしょう。
緊急時の通知機能・ドライブコースの策定・案内機能はすでに搭載されている車種もあります。今後の乗用車種には、ほぼ標準装備となっていくでしょう。
5G通信の普及によっては、大幅な進化が見込まれる要素でもあります。
例えば、トヨタがConnected(コネクティッド)と位置付けているのは、
- トヨタディスプレイオーディオ
- KINTO(サブスクリプションサービス)
になります。ほかにも、トヨタウォレットやコネクティッドカーのサイバーセキュリティ向上への取り組みとされています。
Connectedにはクルマ同士や交通すべてがデータにより「つながる」ものです。
このConnectedが今後は「自動運転」の概念に近づいていきます。そのため、自動車メーカーだけでなく、
- 通信機器メーカー
- ドライブルート案内の旅行代理店
- 緊急通報システムのセキュリティ会社
上記のような自動車以外の分野がすべて参入する市場となっていきます。
【Autonomous】自動運転
自動運転の『概念』
現在はまだ、自動運転は「レベル2」の段階で、部分的な自動運転となります。そのため、現在手にできる自動運転とされる機能は「ドライバーの監視が必要な機能」が市販されただけになります。
しかし、2020年後半以降は
- 『ドライバーの監視が必要ない』
- 『限定された道路での自動運転』
が可能となる自動運転『レベル3』の段階へ入っていきます。
基本的に高レベルの自動運転は非常に高価格になる傾向があります。そのため、『レベル3』の自動運転技術が搭載される予定の新型レジェンドは、「本体価格+300万円上乗せになる」といわれています。
自動運転は今後の”低コスト化”が普及のカギです。乗用車ではまず高級車への搭載が先になるでしょう。
クルマが”すべての操作を担当する”自動運転の実現はかなり先
あらゆる状況の運転に対応できる『レベル5』の自動運転は、バスやトラックといった公共の乗り物で技術実験が行われているところです。
この流れでいくと、自動運転テクノロジーはしばらくはガソリン車で開発が進むと見られます。
しかし、電気自動車の普及が始まるであろう2020年後半以降は「EVに搭載される安全装備は次の段階に入る」と言われています。
また、トヨタが開発中の高速充電と大容量化が可能な”全固体電池”の普及以降は、大きく自動運転高度化の波が押し寄せるでしょう。
CASEのシェアリングサービスの概念は、自動車のテクノロジー進歩を表すものではなく、通信テクノロジーの進歩による自動車管理の高度化です。
”1台”の自動車を利用時間に分けて、”複数”の利用者で使う意味が含まれます。
そのため、昔からあるタクシー配車サービスの進化も【Shared & Services】の概念に含まれており、自動車メーカー以外のサービスも参入する概念といえます。
CASEの概念の内、つながるコネクト【Connected】・自動運転【Autonomous】と比べ、【Shared & Services】はすべての車に普及する概念とはならないでしょう。
旧来の販売方式やレンタカーも含まれ、今後も残されていくものだからです。
【Electric】電気自動車
自動車の電動化、電気自動車の普及もCASEの概念の中にあります。しかし、こちらは国内では”発展途上の段階”です。
国によって電気自動車への需要や規制が異なり、
- ノルウェーでは日産リーフの普及台数が非常に多い
- 中国ではトヨタC-HRの電気自動車が登場
日本のガソリン車メインの自動車市場とは異なる現象が起こっています。
海外の規制にハイブリッドは含まれない一方で、プラグインハイブリッド(PHV/PHEV)は含まれます。
燃料電池車(FCV)はトヨタとホンダ以外に市販車を製造できないためか、CASEではあまり取り上げられません。しかし、シェアリングによって電気自動車の普及は今後あると言えるでしょう。
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